後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2020年7月19日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:45 柏原新道登山口−−3:16 種池山荘−−5:54 爺ヶ岳南峰−−4:09 爺ヶ岳中峰 4:34−−4:52 爺ヶ岳南峰 4:55−−5:21 種池山荘−−6:54 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2020年7月19日 日帰り
天候曇。稜線は冷たい強風
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し。ガレ沢の雪渓は残っていたが雪切されてアイゼン不要
山頂の展望大展望
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コメント梅雨前線が南下して北ほど好天が予想されたため今年初の爺ヶ岳へ。種池山荘がやっと営業開始したためガレ沢の残雪は雪切されアイゼン不要で安全に通過できた。何故か小屋の朝が遅く3時過ぎでも真っ暗だった。山頂付近のみ西寄りの冷たい風が強く、気温は+5℃前後だったが防寒着を着ても寒かった! 常念山脈と槍は見えたが他は雲がかかり、立山、剱岳、鹿島槍、針ノ木岳などは雲がかかって見えず。志賀高原、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスなども雲で見えなかった。高山植物は種類によってはピークを過ぎていたが、種池小屋東側のお花畑はまだほとんど花は見られずこれからのお楽しみ。雷鳥は鳴き声だけ聞いたが姿は見えず




土曜夕方で登山口前駐車場確保可能だった 既に種池山荘が営業していて登山自粛も解除
ケルン アザミ沢。雪は無し
ガレ沢。予想外に雪があったが雪切済みでアイゼン不要 種池山荘。普通は明かりがあるのだが真っ暗だった
爺ヶ岳南峰 爺ヶ岳南峰から見た鹿島槍ヶ岳。雲がかかっている
爺ヶ岳南峰から見た冷池山荘。こちらは明かりが灯っている 爺ヶ岳中峰
爺ヶ岳中峰から南〜西〜北の展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た安曇野平野 大町市街地の夜景
鹿島槍だけでなく爺ヶ岳も時々ガスがかかる 北信の山々
気温は+5,6℃だが風が強く寒い! 下山時には明るくなっていた
ゴゼンタチバナ。標高が低い場所まで各所にある ミヤマダイコンソウ。盛りを過ぎている
クモマスミレかミヤマキスミレか?高山の黄色系スミレの判別は難しい キバナシャクナゲ
コケモモ ミヤマダイコンソウ。爺ヶ岳では山頂付近のみにある
鞍部の残雪 残雪付近のみハクサンイチゲあり
鞍部のコマクサ 爺ヶ岳南峰。トレラン装備の2人が上がってきて鹿島槍へ向かった
爺ヶ岳南峰からの南〜西〜北の展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰から見た南〜西の展望。立山、剱岳は雲の中
爺ヶ岳南峰から見た常念山脈と槍、穂高
爺ヶ岳南峰から見た剱岳北方稜線
爺ヶ岳南峰から見た冷池山荘 爺ヶ岳南峰から見た冷池山荘テント場。今年は予約制
ナナカマド チングルマ。これからが盛りの時期
ヤマハハコ ツマトリソウ
マイヅルソウ。飯縄山では終わってしまった コイワカガミ。これも飯縄山ではおしまい
アオノツガザクラ お花畑はこのとおりまだ花が無い
ショウジョウバカマがあるので雪解け直後 針ノ木岳はずっと雲がかかっていた
種池山荘前のミヤマキンポウゲの群落 葉の形からミヤマキンポウゲ
種池山荘。夏の日曜朝に小屋前が無人なんて初めて 小屋前のお花畑の下り
猫じゃらしみたいな草 コバイケイソウはまだ出たばかりか
葉の形からミヤマキンバイ 葉の形からキバナノコマノツメらしい。これもスミレの仲間
ベニバナイチゴ(木いちごの仲間) ミツバオウレン
たぶん「何とかイチゴ」だと思う ヨツバシオガマ
ガレ沢の残雪。ノーアイゼンで安全に通過可能 ホソバミゾホオヅキ
開花前のマイヅルソウ 葉の形からモミジカラマツ
針ノ木雪渓はまだまだ涼めそう 葉の形からカラマツソウかミヤマカラマツ
1枚だけ葉が大きのでたぶんオオバキスミレ。またスミレだ 花が緑がかったゴゼンタチバナ
アカモノ 同じアカモノでも赤っぽい花もある
日曜朝の扇沢駐車場。恐ろしいほど車が無い! 分かりにくいがシロバナニガナの莟
こちらはニガナの莟 ギボウシ
オオカニコウモリ。まだ咲いていなかった ウツボグサ
対岸の駐車場は満車ではないが混雑している 登山指導所は開設され有人だった


・日曜日の天気予報は当初よりいい方向にずれたので久しぶりにアルプスに出かけることに。いいといっても南の前線の影響を受けそうで山の上でガスに巻かれる可能性は高く、まずは手近な爺ヶ岳へ。今年初めてだ。既に種池山荘の営業が始まっていて、ガレ沢の残雪があっても雪切されていて安全に通過できるだろう。

・土曜日は飯縄山に登ったので体力は100%ではないが爺ヶ岳なら大丈夫だろう。久しぶりのアルプスなので下りで筋肉痛が出ないか心配。

・土曜夕方に登山口の柏原新道に到着。駐車場は2台分の空きあり。土曜は天気が悪かったはずだが意外に埋まっている。登山指導所はこの時間は無人で開設されているのか不明だったが、下山時には人が入っていた。

・夜中12時半前に起床。軽く飯を食って真っ暗中をLEDライトを点灯して出発。まだ真夏ではないので気温は適度に下がって涼しい。出発前に虫よけ塗布は忘れない。

・さすがに柏原新道の整備は完璧で、体に触れる藪は皆無で快適。見える範囲で登山者の光は無し。登山道から数か所で種池山荘の光が見える場所があるのだが、稜線は真っ暗だった。一方、扇沢駅は夜中でも煌々と明かりが灯っているのはいつもの風景。樹林の隙間から大町の夜景も見えた。

・アザミ沢は予想通り残雪は皆無。次のガレ沢は予想外に一面の残雪が覆ってガレが見えないほどであったが、小屋が営業しているので雪切してあり、アイゼン無しでも安全に通過できた。下りでも問題なし。登山道上は他に残雪は無かった。

・種池山荘直下の森林限界を越えた斜面を登って種池山荘前に出たが、山荘の全ての照明は消えて真っ暗だった。通常は一部の常夜灯が点灯しているはずなのだが。まさか営業していない?と思ったが、そんなことはなかった。「withコロナ時代」は小屋の営業形態も今までとは変わるのかもしれない。

・稜線に出て頭上が開けるが星は見えないので曇っているようだ。ただし爺ヶ岳南峰ははっきり見えているので、少なくとも爺ヶ岳には雲はかかっていないようだ。西に見えているはずの立山、剱岳のシルエットは全く見えず、雲に覆われているようだ。

・背の高いハイマツ帯と背の低いシラビソ帯を抜けて本格的な森林限界へ。ここから爺ヶ岳山頂までライチョウが多いのだが、まだ暗い時間帯なので発見は無理。高山植物も帰りに見ることにしてまずは山頂を目指す。登山道上は前も後ろも明りは見えず真っ暗。冷池山荘付近から布引山にかけて時々明りが見える。

・爺ヶ岳南峰が近付くと西寄りの冷たい風が急激に強くなり、ネックウォーマーに毛糸の帽子とウィンドブレーカを着る。手袋は防寒用でないものを持ってきたので、風は防げるが手の冷たさは・・・・ 気温は+5,6℃だった。

・無人の爺ヶ岳南峰に到着。まだ周囲は暗くライトが必要。東の空は明るくなり始めたが雲が覆って地平線付近の一部のみ赤くなっていた。風が冷たい!

・最終目的地の爺ヶ岳中峰へ。鞍部付近では予想通りコマクサが咲いていた。今年初のコマクサだ。鞍部は特に風が強く寒い。まだ周囲は暗くライトが必要な明るさで、冷池山荘の光が良く見えた。

・縦走路を外れて爺ヶ岳中峰へ。無人の山頂も風が強く、南東側に僅かに下って風を避けながら防寒着を着用。東〜南は背の高い雲海で、大町付近は雲が薄く町の光が見えているが、志賀高原方面や八ヶ岳、南アルプスは全く見えていない。上空も雲が多く、これでは日の出も無理だ。鹿島槍や立山、剱岳は雲がかかったままで、爺ヶ岳も時々ガスが吹き上がって視界が遮られる。天気予報では時間経過とともに天候は回復するとのことだが、体感的に寒すぎて長時間の滞在は無理で、軽く飯を食って下山開始。その間にライチョウの鳴き声を聞いた。いつもの週末の朝とは違って休憩中はずっと無人のままだった。

・帰りは高山植物の写真を撮影しながらのんびりと下る。ミヤマダイコンソウは南峰〜中峰にかけての山頂付近のみ生えていて、強風にあおられて風に揺れてブレてしまうほど。ミヤマダイコンソウは花のピークは過ぎて散り始めの花が多かった。

・帰りの南峰ではトレラン姿の男性二名がちょうどやってきたばかりだった。私とは逆方向で鹿島槍へと向かっていった。山頂に到着する頃にはガスが晴れているといいのだが。

・南峰から下るとまだ稜線の上なのに風が急激に弱まってきた。ある標高以上で風が強いようだ。それまでは防寒装備を着ても鼻水が出るくらいだったのが、一気に暖かくなった。いつの間にか頭上の雲が晴れて日差しが差すようになり、これも体感温度を上げてくれ要因だ。でも立山、剱岳、鹿島槍や針ノ木岳にかかる雲はずっとかかったままだった。

・いつものシーズンなら下りでたくさんの人とすれ違うのだが、今日は種池山荘までで僅か数人。記録的な少なさだった。下山時も小屋前は無人だった。

・往路では真っ暗で分らなかった高山植物の開花状況は帰りに判明。南峰と中峰間の鞍部の残雪がある南側付近のみハクサンイチゲが咲いていた。登山道から離れた場所なので望遠で撮影。県境稜線ではまだマイヅルソウやコイワカガミが咲いていた。チングルマは盛りの場所もあればこれからの場所もあり、まだしばらく楽しめそう。キバナシャクナゲはこれからが盛り。コケモモは今が真っ盛り。アオノツガザクラは少しだけ見られた。ツマトリソウは今がピークか。ゴゼンタチバナは山頂付近から標高の低い場所までずっと見られた。ただし低い場所ではもう花が萎れていた。標高2000m前後では緑がかったゴゼンタチバナを見かけた。ただし常念岳のように完全な緑ではない。

・稜線上では黄色系のスミレがあるが、ネットでよく調べないと種類までは分らない。花はどれもほぼ同じなので葉が決め手。ほとんど地面を這うような低いものはたぶんクモマスミレかミヤマキスミレだと思う。種池山荘から少し下った場所で見られた背の高いスミレはキバナノコマノツメだと思う。樹林帯で見られたスミレは1枚だけ葉っぱが大きいのでオオバキスミレだろう。

・種池山荘の東側の南向きの斜面はお花畑だが、まだ雪解け直後のようで花はほぼ皆無。ショウジョウバカマが見られた程度。コバイケイソウはまだ丈が小さく生えたばかりの感じ。ここは梅雨明け後に花が楽しめそうだ。

・種池山荘前ではミヤマキンポウゲが真っ盛りだが、ほぼそれしかない状態。ここはハクサンフウロも多いはずだがまだ皆無。小屋から柏原新道へ下って行く森林限界を超えた区間ではミヤマキンポウゲとミヤマキンバイ。ミヤマキンバイはまだ咲いたばかりのものが多かった。

・樹林帯に入るとミツバオウレンあり。ガレ沢付近でヨツバシオガマあり。ここは毎年見かける場所。アザミ沢付近ではオオバミゾホオズキが咲いていた。ラッパ状の黄色い花なので判別が比較的容易。アカモノの花もあちこちに見られた。コケモモの花に似ているが花も葉もサイズが大きく葉の形状が大きく異なる。さらに標高を落としてオオバギボウシが登場。これは数が少ないが毎年同じ場所に咲くので覚えやすい。登山口ではウツボグサがたくさん咲いていた。

・日曜日ではあるが、登ってくる登山者は合計で20人くらいはいたと思う。通常の夏山シーズンの日曜と比較すれば少ないと思う。登山口の対岸にある広い駐車場は満杯ではなかったが9割程度埋まっていた。

 

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